東洋最古の医学書から「疾病の予防」について考える

連日、新型コロナウイルスの話題が尽きない世の中であります。

ウイルスの感染力や、発症した際に起こりうる症状であったり、ウイルスについての情報が錯綜することで、結局何が予防に効果的なのか、感染を防ぐために気を付けることは何なのかと、その場凌ぎの解決策ばかりに目が向けられていますが、それらが本当に疾病の予防に繋がるのでしょうか。

一時的な予防にはなるのかもしれませんが、ウイルス自体の変化や進化に対応できるかは予測できませんし、その他の疾病に対する予防にはなりません。

何より毎日情報が変化する今の世の中では、どれが本当に正しい予防策なのかもわからず、それを考えることが精神的な疲労やストレスとなり返って病気を招いてしまう可能性もあります。

今後も新たにウイルスが出現してくることは十分考えられますし、我々の耳にする情報量も更に増えていく世の中で、自分の身体を守り健康を維持するためには「予防」について考えていかなければなりません。

その疾病の予防に対する考え方や心掛けは、今から約2000年に編纂された東洋医学最古の医学書である「黄帝内経」と呼ばれる書物の中に記されています。

「心を落ち着かせ無闇な欲望を持たなければ、命の源となる気は身体の中を隈なく巡り、身体の機能を整えてくれる。



この様な状態を維持し身体を守ることができているのであれば、疾病を起こす原因となるものがどこから、どうやって身体の中へ侵入することができるのか。



そのため、何がなんでもやらないといけないといった様な度を超えた気持ちを起こさずのんびりとし、欲望を減らし、心を落ち着かせて物事に動かされることなく、何事にも怖れず、過労などの無理をしない様にすれば、身体の機能は良好に保たれる。」

現代語に訳された医学書の内容をもう一つ噛み砕いた表現で書いています。

要するに、「まわりに気を取られず落ち着くこと」が大切であるということであり、今の世の中に当てはまるものであると感じます。

更に、この章の中には健康に過ごすため方法として

● 暦・季節・天気と調和する
● 適切な食事を摂る
● 就寝時間・起床時間に決まりをつける
● 無駄に身体を疲労させない

などが挙げられており、これらを心得ることで心身ともに調和がとれていたと記されています。

疾病の予防・健康の考え方はどちらもこの医学書が編纂された時代だけでなく我々が生活する今の時代にも活用されるものです。

まとめとして、疾病の予防のためにはまず「まわりに気を取られず落ち着くこと」が大切であり、その精神状態をつくるために普段の「食事・運動・休養」の生活習慣を整えることが大切であると言うことです。

そのためには、何事もバランスを意識して取り組んでみましょう。

※参考文献
素問|新釈 小曽戸丈夫(谷口書店) 上古天真論篇第一より

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